世の中定時で帰れやしない

意識高い系異世界へ転生してしまった件

人の顔の判別ができない人間が勧める「俳優リレー映画旅」(1/2)

わたしは人の顔の判別ができない。

10人ぽっちのサークル後輩を半年かけても覚えられず、事あるごとに大いに信頼を失った。
一時は本気で何かの疾患かと悩んだのだが、回を重ねたり、特徴量の多い人は覚えられるあたり、ソフトは正常でメモリの方が残念なだけらしい。よかった。全然よかぁない。

というわけで、映画に関しても基本的に事前情報なしには俳優の判別ができない。
違うメイクしている時点で積んでると言っていい。
ベネディクト・カンバーバッチシャーロック・ホームズ = ドクターストレンジが2年ほど繋がっていなかったレベルだ。
(今これを書くために調べて、イミテーション・ゲーム(アラン・チューリング役)もカンバーバッチだったことを知った。…なるほど…。言われてみれば同じ顔だ…)


そんな私に語る資格などないかもしれないが「俳優繋がり」で作品をリレーしていく楽しさを伝えたい。
似たような役柄に偏っていれば「ああ、こういうイメージの役はこの俳優が強いのか」という気付きがあるし、偏りがなければ七変化俳優ということだ。それもまた凄い。
年を経るごとに役柄の印象が変わればそれも面白い。背景を調べて私生活などと相関があればなお面白い。


そんなわけで、マーゴット・ロビーの話をしよう。

先に言っておくが、今回の記事はクソ長い。
それと致命的なネタバレはできる限り避けるが、内容/役どころに関する言及は少なからずする。
苦手な人はここでやめ、気が向いたら映画を見てから読んでほしい。



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トップバッターは皆さんご存知であろう、
スーサイド・スクワッド(2016)
の、ハーレイ・クイン役。
新作のたびに世界的ムーブメントが発生するMABEL作品に対し、いまいち鳴かず飛ばずなDCシリーズから満を持して発表され――そして盛大にコケた作品。

コケた原因として大きいのは、
・「悪者が政府に要請され世界を救う」というぶっ壊し系に見えて、実態は正統派の堅実ストーリー、というあまり嬉しくないギャップ
・どの悪役も過去映画がないため「"あの"悪者が世界を救う!?」というインパクトに欠け、のめり込みづらい
・過去作がないゆえに、一人ひとりの悪者っぷりを作中で説明しなくてはいけないテンポの悪さ
といったあたりだと思ってるんですが…蛇足になるのでこの辺でストップしましょう。


そうしたストーリーの悪さにさらに駄作っぷりを加速させたものこそ、マーゴットロビー演じるハーレイクイン。
なにしろインパクトがこいつだけ飛びぬけているのだ。悪い意味で「可愛すぎる」。
他のキャラクターがモノクロ+赤くらいしか色彩がなく、中身もちょっと更生していたり悪になりきれない中途半端さ対して、
ピンクと水色のツインテール、ピチT&派手ブルゾンにホットパンツ&網タイツ!世界を救う道すがらショーウインドーから好みのバッグをパクっちゃう派手&ネジの飛びっぷり。
正直彼女だけが印象に残り、バランスが崩壊して「ハーレイ・クインの映画」になってしまっているのだ。

しかし、ことマーゴット・ロビーについて語るうえではこの作品は大成功といって良い。
賛否両論大荒れの作品だったのに、ハーレイ・クインだけが大ブレイクし、単独続編が作られるという事態になったのだから。



そんな続編
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey(2020)
は、前作同様「過去作のないキャラ達が協力して暴れる」というストーリーながら、
キャラの過去描写や説明的なシーンを極力抑えたおかげで、当初スーサイドスクワッドに求められていた「ポップなぶっ壊し映画」を実現している。

4年経って俳優として/大人としての安定感が出てきたマーゴットの演技も、「ジョーカーと別れ、後ろ盾を失って自立するハーレイクイン」の印象にマッチする。
可愛いだけじゃ生きていけなくなった、自分で戦っていくハーレイクインは、前作のハーレイ――ないしマーゴットロビー自身――と比較すると非常に面白いと思う。



ではこの4年間でマーゴットロビーに何があったのか?
そもそもスーサイド・スクワッドで世界的ブレイクする前、ハリウッドで注目されだしたのは
ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)
からだ。

主演はレオナルド・ディカプリオ、その妻役として大抜擢され、ドラマ作品メインだった彼女はここで一気に映画界での知名度を上げた。
オーディションでは印象付けるためにディカプリオの顔を引っ叩いてみせ、セックスシーンの撮影にはテキーラを3杯キメて挑んだというその演技は新人とは思えないほどに素晴らしく、
セクシーでぶっ飛んだ危険な女性という彼女のイメージのベースになった。



そのイメージそのままに次作のハーレイ・クイン役で世界的な知名度を得た彼女は、途切れることなく主役どころに抜擢され続ける…のですが、

想定以上にえらい長いブログになってしまい、私自身が萎えてしまったのでこの辺で区切ります。
後編では「実在の人物を演じるマーゴットロビー」の変遷となります。

ウルフ・オブ・ウォールストリートも実話を元にしており、彼女の役どころにもモデルがいるのですが、
その後の出演作も実話をもとにした、実在の人物の役が多いのが特徴です。

それに対する彼女の姿勢なんかにも触れる予定の後編、どうか気長にお待ちください。


とりあえず #おうち時間 にかこつけて、ウルフ・オブ・ウォールストリートNETFLIXを張っつけておきます。
アフィとかないので安心して踏んでください。
www.netflix.com

3hとかいう冗談みたいなクソ長映画ですが、ハマる人はその長さを感じずに見れる作品だと思うので、NETFLIX入ってる人は試しに見てみてください。
どうせみんなSTAYHOMEで暇してるでしょ。映画見よ。

お題「#おうち時間